水曜どうでしょう第32弾『初めてのアフリカ』DVD

4,950 (税込)

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2013年の春のこと。4人の日本人が揃いの作務衣に身を包み、雪駄を履いて赤いアフリカの大地に降り立った。その姿はまるで、アフリカに土を求めてやって来た陶芸家集団のようだったという。

ライオン、シマウマ、ヌー、キリン、ハイエナ、ヒョウ、カンムリヅル、フンコロガシ。そしてカメレオンのレオン1世。かつて水曜どうでしょうのロケで、こんなにも野生動物に遭遇し、こんなにも野生動物がカメラに写り込んだことがあっただろうか。
大泉洋は言った。「ライオンに追いかけられるかも知れないのに、なんで、足下が雪駄なんだ?」「なんで、アフリカまで来て、まず床屋を紹介してるんだ?」と。

アフリカは雨季。空からは雨が降りそそぎ、大地は水で満たされ、草は潤い青々と生い茂る。そのときアフリカには繁殖の季節が訪れていた。
野生動物最後の楽園ンゴロンゴロの平原に湛えられた水場に雲間からこぼれる陽が射し込み、野生の楽園は神秘的な輝きを見せ、陶芸家集団は、しばらくうっとり見惚れていたという。
それなのに陶芸家集団は、早くもシマウマに飽き、3日後にはキリンにも飽き、カバにも飽き、とうとう野生動物に対する写欲のいっさいを失って行く。
だが、不思議なことに、その瞬間から反対に野生動物の方でも彼らに対する警戒心を失っていったのか、現地ガイドが「こんなことは信じられない!こんな光景は見たことがない!」と、大騒ぎする目の前を「ヒョウが子連れで呑気に横切って行く」という、ミラクルな光景まで、陶芸家集団は発生させてしまったというのに、この突然のあり得ない事態に現場は混乱し、カメラはピンぼけの映像でしかお届けできないという醜態を見せるのだった。
それに持参したビデオカメラは望遠が弱く、どの画も動物に寄り足らず、これでは危険を顧みず、大泉洋が自ら動物に近づいていくしかないと思われたが、同行の陶芸家、鈴井貴之が持参した動画も撮れる双眼鏡のお陰で、なんとか急場をしのぐ有り様だった。
だが、ついに野獣の恐怖に4人全員が慄き、身も竦む夜が訪れるのだ。

「水曜どうでしょう 初めてのアフリカ!」。地上最後の野生の楽園にまで遥々と出向きながら、BIG5にも数日で飽きてしまった陶芸家集団も、さしもの大泉洋には番組開始以来17年間、未だに飽きることないという事実に誰もが驚き、やがて納得し、最後にはもう笑うしかなかったのだった。

「ゾウ見た? 何匹見た? 百匹見た? それウソよ~」

あぁスティーブよ。きみは元気でいるだろうか。思い出せば今も、彼のあの、体格に不似合いな高音ばかりが懐かしくこの耳に残る。
思い出せ、ぼくらのアフリカ。

文:嬉野 雅道

【仕 様】
片面2層3枚組、ドルビーデジタル、特典映像&副音声解説付
総再生時間 :3枚合計321分

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